犬を初めて飼う方へ_第4話/犬を飼える条件・飼えない条件(1)~時間的側面

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動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:犬を初めて飼う方へ4は犬を飼える条件・飼えない条件(1)~時間的側面についてです


犬を飼うにあたり検討すべき条件とは?

本来犬を飼う事は、その一生涯を適切に面倒みようとすると、非常に手間やコストがかかるものです。
それにも関わらず、日本ではあまりにも簡単に購入できてしまう環境があるため、
買ってはみたもののその手間やコスト負担が次第に分かり始めると、
平気で飼育放棄や遺棄をする人があとを絶ちません。

犬を飼う権利は誰にでもありますが、誰も彼もが犬を適切に飼える条件となっている訳ではありません。

それでは、どの様な方が犬を飼うのにむいているのでしょうか?
5つの側面から考えてみたいと思います。

犬を飼うにあたり適した条件または検討すべき条件1.時間的側面(最重要),2.経済的側面,3.環境的側面,4.肉体的側面,5.精神的側面

1. 時間的側面(最重要)

犬を飼うにあたり「最も重要な要素は何か?」と尋ねると、「経済的側面」を一番にあげる方は
多いかと思います。
しかし、ペットを飼うという行為は、そもそもどの種類のペットを飼ったとしてもお金がかかるものなのです。
つまり、ペットを飼うにあたりそこにかける経済的余裕を考慮するのは、
誰もが最低限検討すべき側面といえます。(その中でも犬や猫はお金がかかります)

上記をふまえた際、「時間的側面」は適正条件の中で最も重要な要件と言うべきかもしれません。
犬が与えてくれるもの~幸せホルモン】でも述べましたが
犬は適切に愛情を注げば注ぐほど応えてくれるという特徴をもつ生き物です。

犬に「愛情を注ぐ」事の本質とは、決して良い服や餌を買ってあげることだけではありません。
【犬と過ごす時間を適切につくる事】なのです。

つまり、1日5分の散歩やコミュニケーションの時間もとれそうにない人は、
自分の生活スタイルにあった他のペットを飼うべきであるとも言えます


 ● 【犬を初めて飼う方へ_3:犬が与えてくれるもの~幸せホルモン】 ペットのお薦めコラム

以下に挙げるポイントにおいて、あなたは日々の時間を割くことができますか?

1-1. 犬の散歩に割く時間について

かつて、マンションで大型犬をほぼ一歩も外に出さない飼い主さんに尋ねたことがありますが、
その方の言い分は「小さい頃から散歩をしなくても良いようにしつけをしているから大丈夫」
というものでした。
しかし、その犬はその後ストレスから異常行動(特に無駄吠え)をおこすようになり、
結果として飼い主さんも他のマンションの住人とトラブルになってしまいました。

人気の狩猟犬は運動を多く必要とする犬種ですので、飼い主が適切な運動量を分かっていないと、
運動不足からくるストレスにより様々な病気にかかる事があります。
容姿につられて何の知識も無いまま勢いで犬を買い、成犬の頃に大変な思いをするのではなく、
購入する前に、その犬種の特徴を最低限得る様にしましょう。


また、犬は視覚・聴覚よりも嗅覚で周りの認識を行います。
犬に散歩をさせることは体の衰えを防ぐだけでなく、クン活により嗅覚から脳への刺激を活性化させている
ということも覚えておきましょう。




1-2. 日常の世話に割く時間について

「散歩」と一括りで言ってしまうと単純そうに聞こえますが、ただ歩いて連れて行くだけではなく、
うんち袋の準備や(夏場の)暑さ対策、散歩後の足ふきなど、散歩をするにあたり必要となる工程が
いくつかあります。

また、あなたがどんなに忙しくてもその散歩に加え、毎日の食事の準備やトイレの片付けをしなくては
なりません。特に、犬種によっては室内でのトイレが難しい犬種もいます。
「トレーニングをすればなんとかなる」と思っていると、その子がいざ外でしかしない犬であった場合、
雨の日も風の日もトイレに行くことになります。

日常の世話は、あなたが予想をしている以上にあなたの時間を割いてしまうかもしれないことを、
念頭に置いておきましょう。




1-3. しつけとコミュニケーションに割く時間について

「うちの子はまるで人間の様にしゃべるんですよ♪」と、とてもにこやかにお話しされている
飼い主さんを見ていると、本当に愛犬が可愛くてしょうがない気持ちが伝わってきます。

でもご注意!そのようなケースの場合、往々にしてその子は「呼び鈴に吠えたり」
「言うことを聞かず家の中を走り回ったり」と、今後、飼い主さんにとってやっかいと思える行動を
とるようになってしまうかもしれません。

あまやかしが決して悪いわけではありませんが、しつけをせず甘やかしだけが多いと
犬は分離不安になり易く、飼い主の不在時に無駄吠えや室内を荒らす等 様々な問題行動を
おこす可能性があります。
特に、無駄吠えは近隣住民とのトラブルの原因になりやすいため、気をつける必要があります。
「犬って気軽に飼えるものだ」と思っている方は要注意です。

なお、甘やかしからくる分離不安はしつけで解消できる事がほとんどですが、
これまでやってこなかったしつけやトレーニングを実際に行い始めると、
これ自体が飼い主さんのストレスになる事もあり、それをきっかけにあれ程可愛がっていた愛犬を
飼育放棄してしまうという本末転倒な状況もしばしばおこります。

また、最近では新しい病気として、飼い主が平日忙しくほとんど犬に構わずその分を土日に一気に
接しようとするために、犬がストレスから体調を崩す「犬の土日病」も報告されています。
これに対しては、「犬にも昼寝等自分の時間やリズムが必要である事」を理解した上で、
前段で述べた通り「平日もコミュニケーションをとる」が重要です。

 ● 【犬のしつけとマナー_1:しつけとマナーの定義】 ペットのお薦めコラム


1-4. 犬の病気や介護に割く時間について

詳しくは【老犬介護と病気の子の看護の現実】で述べますが、
生きとし生けるもの最後には必ず死を迎えます。そして、愛犬が大往生で亡くなるケースは希なため、
皆さんは病気の看病や介護を経たうえで愛犬の最期を看取ることになります。

「愛犬の看病なんだからそんなの当たり前だろ!」と思われる方もいらっしゃいますが、実際に自身が
経験した方とそうでない方とでは、(病状にもよりますが)その精神面・金銭面・時間にかかる大変さは、
思っているものとは雲泥の差程あるかもしれません。

事実、私のところにいる子達は、明らかに病気の面倒がみられなくて捨てられたであろう子達ばかりです。
最期は、どうか大好きだった飼い主さんの手で看取ってあげて欲しいと思っています。

 ● 【犬を初めて飼う方へ_10:老犬介護と病気の子の看護の現実】 ペットのお薦めコラム


 動物保護施設から犬・猫を引きとろう! >犬を初めて飼う方へ_第5話
犬の病気の話とペットのお役立ち情報 犬を飼える条件・飼えない条件(2)~経済的側面 へ続きます>>




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