犬を初めて飼う方へ_第5話/犬を飼える条件・飼えない条件(2)~経済的側面

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動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:犬を初めて飼う方へ5は犬を飼える条件・飼えない条件(2)~経済的側面についてです


犬を飼うにあたり検討すべき条件とは?

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1. 時間的側面(最重要)
2. 経済的側面
3. 環境的側面
4. 肉体的側面
5. 精神的側面
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2. 経済的側面

犬を飼うにあたっては、購入・引取りにかかった初期費用以外にも様々なコストが発生します。
健康な成犬を飼っている方に今現在の月の出費を尋ねると、
「平均で¥10,000-~¥15,000-/月 程度」という回答がくるかもしれません。
この話だけを聞くと、おそらく犬を飼い続けるための費用はそれ程の負担ではないと錯覚すると思います。

しかし、人それぞれペットライフは異なります。
例えば、あなたは犬のために夏場は冷房をつけっ放しにするかもしれません。
そうすると当然、電気代等 当初の予定以外の費用が発生することでしょう。

ところが、最も皆さんの予測と異なるのは、
老犬介護や怪我・病気の看病の状態になった際にかかる「薬代や治療費」なのです。



2-1. 動物の診療は自由診療です

犬の3大病「癌」「腎臓病」「心臓病」以外にも
「甲状腺」「副腎」「肝臓」といった、原則、
一生薬の投与が必要な病気も身近に起こりえます。

また、同じ病名でも症状によりかかる費用も異なります。
(例えば「アジソン病(副腎皮質機能低下症)」では
  「フロリネフ」や「パーコーテンV」が有効とされていますが、
  この2つでは薬価が異なります)

つまり、愛犬の晩年はあなたの思っている以上の費用が、
一気に負担となっておそいかかってくるかもしれないということ
なのです。
 (ご参考までに、私のところにいる重度の病気の子2匹(主に
  腎臓病とアジソン病、心臓病)にかかる費用は、大雑把に
  ¥50,000-~¥60,000-/月程度です)

動物の診療は自由診療です


2-2. 「新車を買うぐらいのお金がかかる」という表現と、犬を飼うことの現実にみる決定的な違いとは

「犬の一生を面倒見るには新車(維持費を除き)を買うぐらいのお金がかかる」とよく言われています。
確かに総額としての表現はある意味真実に近いかもしれませんが、決定的に異なることもあります。

例えば、250万円の車をボーナス払いを含め月2万円で購入し、10年で完済したとします。

他方で犬を購入した場合、その犬が健康で寿命を10年とし、月にかかる費用を平均1万円とすると、
 ○ 犬の購入費用:15万(仮)+年間:12万×10年=犬を一生面倒みるコスト:約135万

と、単純に思われる方が多いと思います。
特に、ペットショップから買った初期費用の支払いさえ終われば、年間の維持費という概念で照らし
合わせても、車の支払いよりも安いと思えるかもしれません。


ここで仮に、10年目の時点で犬に支払った総額を135万円とします。

この時点では、まだ車の維持費より犬や猫を飼う事の方が安いですが、
ここからの決定的な違いは、
○ 車は平均的に支払いながら、初期費用の完済をもって(10年で)支払いを終了することに対し、
○ 犬や猫を飼うことは極端な話、晩年の1~2年の間に残りの130万以上の請求の可能性がある

ことなのです。
しかも、その支出はその子が生きている間は続く点も異なります。
  ※ ここではあくまで、一般的にかかる費用として比較される金額で申し上げているため、
    維持費等、諸々を含めた計算ではありません。

だから、あれほど元気なうちは可愛がっていた愛犬・愛猫を、シニアや病気になった途端に
平気で遺棄したり保健所に持ち込む飼い主が後を絶たないのです。
(私のところにいる子達は、明らかに病気の面倒がみられなくて捨てられたであろう子やシニア犬達です)

本当にお金がかかるのは、シニアや病気となってからが本番だということを決して忘れないで下さい!


余談ですが、里親になるにあたっては、日本でも保護団体によって収入に関わる証明の提出を求めている
所もあります。(その是非ついてはここでは述べません)
しかし、これらの事実を鑑みると、一部の団体が年収に対して1つの基準を敷くことは決しておかしい事では
ないと思います。

 ● 【保護施設から引き取るにあたり 3~どういう保護団体から犬や猫を引き取るのが良いのか?】 ペットのお薦めコラム


2-3. お金が全てではないという事

一方、前記事を読まれている方は、経済的側面が最重要にないこともご理解頂いているかと思います。
改めてお話を致しますが、犬や猫を飼う資格は必ずしもお金の量とは比例しません。

私は知っています。大きな庭につながれたまま飼い殺されている犬が、夜泣きをはじめる様になった
数日後にその家から居なくなったことを。
そして私は知っています。その子がその後どうなったのかもを…

だからあえて言います。
 「お金持っているということが犬や猫を飼うに最適な資格ではなく、むしろその様な人でも犬や猫を捨てる」
という事を。そして、もし
 「お金もあるし犬や猫でも飼ってみよう」程度の軽い考えでペットを飼い、
  飽きたが故に安易に飼育放棄や殺処分を行った場合、今後世間の目にさらされるのはあなたです。」
と。そして、
 「であるならば、そのお金と時間はまだ別の事に使った方が有意義ですよ」とも。



2-4. それでもやはり経済的側面は重要な要素です

もし、これから犬を飼うにあたり一生涯でかかる費用を、
「(犬が医療費を含め10年程度生きると仮定し)200万円程度で飼える!」
または
「月に¥10,000-~¥15,000-なら大丈夫」
と考えているのであれば、一度その計算を見直すとともに、ペットにかける愛情と金銭面の
バランスを再考する必要があるかもしれません。
 ※その子の一生にかける費用を250万。うち、晩年(1~2年)に100万の準備はできますか?



 動物保護施設から犬・猫を引きとろう! >犬を初めて飼う方へ_第6話
犬の病気の話とペットのお役立ち情報 犬を飼える条件・飼えない条件(3)~環境的側面 へ続きます>>




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