犬を初めて飼う方へ_第3話/犬が与えてくれるもの~幸せホルモン

  人気記事シリーズ 「動物保護施設から犬・猫を引き取ろう!」や「後悔しないための動物病院の選び方」等、記事の一部がご覧頂けます。記事の全てまたは全文をご覧頂く際は、飼い主様会員ページ(無料)よりご覧下さい。  
HOME 獣医師様の皆様へ 飼い主様へ お役立ち情報 ENGLISH
お役立ち情報TOP >>  動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:目次 >> 犬を初めて飼う方へ_バックナンバー 第 3 話…犬が与えてくれるもの~幸せホルモン
動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:犬を初めて飼う方へ3は犬が与えてくれるもの~幸せホルモンについてです


人は犬に何を求めて犬を飼うのでしょうか?

1. 犬が与えてくれる「癒し」とは

犬を飼う事で、犬は人間に何かを与えてくれるのでしょうか?
結論から申し上げますと、【万人に与えてくれる何かは「何も無い」】という事です。

生き物は本能または欲求に忠実なため、「ご飯を食べたくなったり」「トイレに行きたくなったり」
「構って欲しくなったり」すると、(特にしつけをしていない際)飼い主の事情に構わず要求吠えや
室内を走り回ってアピールをしたりとするものです。

一方、飼い主側からすると、日常における一般的な本音は
 「放っておいても勝手に飼い主を理解し、自分の都合が良い時に甘えてきて欲しい」
 「自分が都合の良い時に犬を散歩に連れて行きたい」
 「放っておいても勝手にえさを食べて欲しい」
 「もっと簡単に言う事を聞いて欲しい」
 「疲れた日や忙しかった日は世話をしたくない。そっとしておいて欲しい」
と言ったところでしょう。

犬を捨てる人は、この現実と本音のギャップが激しくなるにつれて
 〇 段々と世話をする事が億劫になる
     ↓
 〇 無関心や飼育放棄
     ↓
 〇 遺棄・保健所への持ち込み(殺処分の依頼)
という思考をたどります。

では何故、愛犬家の皆さんは手間をかけてまでギャップを埋めながら犬を飼うのでしょうか?

それは決して「一度受けいれてしまったから…」というネガティブなものではありません。
愛犬家の皆さんは、むしろ犬はきちんと飼えば飼うほど、「癒し」感じる事ができる
のを、知っているからなのです!




2. 「癒し」の正体【幸せホルモン:オキシトシン】とは

○ 幸せホルモン(オキシトシン)とは

母親と子供や恋人同士が触れ合うと、安心感や信頼感が増し、絆が深まるように、犬と飼い主が見つめ
合い、飼い主が犬を撫でたりすることで、お互いの体内に安心を感じるホルモンの分泌が増えることを、
麻布大学などの研究チームが17日発表した。

 ● exciteニュース 【犬と飼い主 ヒトの母子と同じホルモンが強める結びつき ペットのお薦めコラム

  【ヒトとイヌの絆形成に視線オキシンが関与】麻布大学:プレスリリース ペットのお薦めコラム

「何に癒しを感じるか」は個人の感覚であるため、人それぞれ異なるでしょう。
従って、犬や猫に興味が無い人は当然オキシトシンは分泌されません。

一方、重要な点は、この「癒し」の存在自体が【幸せホルモン:オキシトシン】として科学的に
証明されたということです。 この事により、
【犬は愛情を注げば注ぐほど応えてくれる生き物】であり
逆を言えば、
【それを感じない・感じさせない様な飼い方をする人は、犬を飼うべきでないもしくは、
自分に合ったペットを飼うべきである】
ということが、実証されたことを意味します。




3. 具体的に「何に」癒しを感じるのか?

(大会などの特別な目標を除き)日常においては、ほとんどの飼い主さんが
 「家に帰ると犬が玄関でしっぽを振って待っている」
 「ヘソ天している犬のお腹を撫でる」
 「寝ている子の顔を眺める」
 「公園で一緒に遊ぶ」
など、特別なことは何もなく、それはそれは本当に些細な犬の行動や観察、日常のふれあいから「癒し」を
感じているということです。 (愛犬家の皆さんは極論をすると、愛犬がそこに居るだけ「癒し」を感じています)

犬をこれから飼う予定の方の中には、楽しそうに犬を飼っている飼い主さんを見て、

「犬を飼う事で私も特別な何かが(何もせずに)得られる
かもしれない」

という幻想を抱かれる方がいるかもしれませんが、人と人との
出会いにおいてもたらされる様な何か劇的な事が起きたり、
犬を家に置いているだけで潤滑油となることは極まれです。

むしろ、飼って数日から数ヶ月もすれば日々同じ事の
繰り返しと思う事の方が多いかもしれません。
その様な日常に「癒し」を感じる事ができそうですか?

日々の世話の「手間」をかけてなお「癒し」が感じられると
思える方に、犬を飼って頂きたいと思います。




4. 「犬を飼うことの手間」>「犬が与えてくれる癒し」にはならないでください

残念な事に、犬との日常に飽きてしまう飼い主は、
「うちの犬は馬鹿だから何をいっても聞かない」
「他の家の犬を見て可愛いと思ったので、自分も飼ってみたら自分の家の子は可愛くなかった」

という台詞を盾に、面倒をみなくっていきます。
これらは、愛犬家の皆さんがしつけや日々の面倒に努力や苦労をされている事を直視せず、
飼育放棄の自己弁護をしているだけに過ぎません。
(体の良い言い訳であり、単純に「手間」>「癒し」の状態で飼育放棄をしているに過ぎません)

先述の通り、犬が与えてくれる「癒し」とは日々のふれあいの中で感じていくものです。
犬をただ置いているだけで得られるものは何もありません。
「犬を飼っている事=愛犬家」 ではありません。

本当に手間をかけてふれあえる事が正しい犬の飼い方であり、飼い主のあり方です。
これから犬を飼われる方は、犬に何を期待していますか?

犬を「飼う手間」と「与えてくれる癒し」のバランスはとれそうですか?




5. あたなの愛犬は散歩中にマンホールを避けますか?

「犬との接し方が分からないので犬もつまらなさそうだし、私も楽しくないんです」

といったご相談を受けることがあります。
残念ながら、この様なケースではたいてい飼い主さん側に原因があります。
そういう時は、まずは愛犬を観察してみましょう。

例えば散歩中、スマホを見ることが決して悪いとは言いませんが、
「その時間の一部を犬の行動に目を配る」
ことに少しでもあてることで、きっと見えてくることがあるはずです。

「あたなの愛犬は散歩中に道路のマンホールを避けますか?」
「あなたの愛犬はステップを降りる時、どの足から踏み出しますか?」 

長年一緒にいたはずなのに、あなたが見落としている犬の行動やしぐさが沢山あることに
驚かされることでしょう。
そして何より、愛犬はあなたことを、あたなが思っている以上にみつめていることに気づくはずです。

あなたが気づいたことは、犬に話かけてあげてください。
犬があたなを見ていることに気づいたのであるならば、犬に話かけてあげてください。
(言葉なんて分からなくたって良いんです!)

飼い主の無関心から犬も遠慮がちになっていた関係性も、
やがて、「自分を見ていてくれている」という安心感から「また甘えて良いんだ!」という変化へ変わり、
楽しかった昔の様な関係性が戻ってくるかもしれません。

繰り返しお話をします。
昔の様に、犬と一緒にいることで感じることのできた「癒し」をもう一度味わいたいのであれば、
あたなの行動をわずかでも変える必要があります。
もちろん今からでも全然間に合います。

そして、そんな飼い主さんの些細な行動の変化を犬は見逃しません。
なぜなら、犬は飼い主の動向を非常に良く観察している生き物だからです。

愛犬への日々の気づきは楽しいものです。
そして、犬は、大好きなあなたいつも見ているということを忘れないで下さい。



 動物保護施設から犬・猫を引きとろう! >犬を初めて飼う方へ_第4話
犬の病気の話とペットのお役立ち情報 犬を飼える条件・飼えない条件(1)~時間的側面 へ続きます>>




動物保護施設や保健所から犬・猫を引きとって里親になろう 犬を初めて飼う方へ注意してほしいこと。バックナンバーはこちら ペットのニュースや雑学はアニマル・ハート・ステーションのお役立ち情報(無料)をご覧ください




ペットのお役立ち情報

ログイン



アニマルシェルターから犬・猫を引き取って里親になろう

犬や猫を中心としたペットのニュースや雑学などお役立ち情報満載。弁護士に聞くペットトラブルの法律相談も収録

動物病院の選び方から犬や猫の病気の話はAHS飼い主様お役立ち情報をご覧ください




保護犬・保護猫のためのチャリティーグッズのコーナー。寄付をご検討の皆様へ、確かな保護団体へ皆様の寄付をお届致します。



動物病院へのご連絡は
「アニマルハートステーションを
見た」とお伝え頂くと、
お話がスムーズです。


  ご利用案内利用規約特定商取引法プライバシーポリシー
Copyright (C) 2008AnimalHeart STATION All Rights Reserved.