真の動物愛護について考える_第4話 /環境省のデータにみる犬と猫の殺処分の現実と課題(2/3)

  人気記事シリーズ 「動物保護施設から犬・猫を引き取ろう!」や「後悔しないための動物病院の選び方」等、記事の一部がご覧頂けます。記事の全てまたは全文をご覧頂く際は、飼い主様会員ページ(無料)よりご覧下さい。  
HOME 獣医師様の皆様へ 飼い主様へ お役立ち情報 ENGLISH
お役立ち情報TOP >> 動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:目次 >> 真の動物愛護について考える_バックナンバー 第 4 話…環境省のデータにみる犬と猫の殺処分の現実
と課題(2/3)
動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:真の動物愛護について考える_第4話は環境省のデータから残された課題について知っておくべきこと(2/2回)についてです


不幸せな犬や猫を0にするための残された課題とは

前回のお話の通り、「殺処分数を0にすることだけが、犬や猫を幸せにするゴール」ではありません。
真のゴールへ向けて、残された課題について考えてみたいと思います。
(詳細は各項目にあるオススメコラムをご覧ください)
-----------------------

1. 地方の問題   2. 都市部の問題 3. 猫の問題 4. 犬の問題
5. 引き取り手の問題 6. 保護団体側の問題 7. 売る側の問題 8. 殺処分は税金から


1. 地方の問題

1-1. 地方における、犬や猫を飼うことに対する【意識の問題】

都市部では子供の様に犬や猫を可愛がる家庭は多くなりましたが、その都市部と比べ、
地方では犬や猫は「物」との認識が根強い地域があります。

 ・病気になれば病院にもかからず見殺し、または遺棄は当たり前
 ・飽きたら捨てて次のを飼う

愛犬家の皆さんからは到底考えられない様な常識がまかり通る地域が、日本にはまだまだ多く存在します。
そして残念なことは、この様な人々にペットを飼ううえでのモラルや法律を問うても「全く理解をされない」
「聞く耳をもたない」ということです。
(地方で頑張っている動物保護施設や保護活動家の方々、保健所の職員さんが苦労されてる原因の
一つはここにあります)

なぜなら、周りの人間も同じことやっているから問題ないと思っているうえ、その考え方こそが常識だと
長年思い込んでいるからです。
染み付いた人の価値観や考え方が容易に変わらないことを垣間見る瞬間です。


1-2. 地方における、犬や猫を飼うことに対する【知識の問題】

意識が希薄な人にとっては、犬や猫を飼うことに対する知識も同様に希薄です。
例えば、フィラリアがどういうものであるかの知識が無いことにより予防をしない結果、地方で保護された
犬や猫にはフィリアの陽性反応の子が多く存在してしまうのも、この理由によるものです。

ペットを飼うことは誰にでもできますが、知識無くして健やかなペットライフをおくることはできません。
不幸な犬や猫を0にするためには一部エリアで達成するだけではなく、
日本全国の飼い主が「ペットを飼うことへの最低限の意識と知識」を持つようになって、
初めてスタートラインに立つと言えるのではないでしょうか?


 ● 【後悔しないための動物病院のかかり方と犬の病気の話:フィラリアについて】 ペットのお薦めコラム

補足1:
環境省 【犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容状況(都道府県・指定都市・中核市)

をご覧頂けると一目瞭然ですが、まだまだ地方の殺処分数は多いということです。
お住いの地域の状況はどの様な状況でしょうか?
  ※ データの一部は都道府県ではなく中核市です

補足2:
茨城県(殺処分数が断トツでワースト1)の殺処分数が多い状況については
犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 (朝日文庫) 】にて、
------------------- 
『茨城県では「捨て犬の日」が設けられ、飼い主がその場所に
持ち込んだ犬を収集する「捨て犬収集」なるものがある』
------------------- 
との記事があります。もちろん、積極的に殺処分を助長する施策をとる行政側の問題もありますが、
この書籍が2010年に発刊されて数年、人の意識が変わったとはまるで思えない殺処分数です。
人の良識だけを信じて殺処分を0にする事には限界がある事を教えてくれます。



2. 都市部の問題

東京を中心とした都市部では、順調に犬や猫の譲渡が進んでいます。
一方で、皆さんの中には家の庭に放置や繋ぎっ放し、またはずっと吠えている犬を見かけ
「なぜ行政の指導が入らないのか?」や「飼い主はどの様なつもりなんだろうか?」と
疑問を持たれた経験をお持ちの方がいらっしゃるでしょう。

都市部にも、欧米のルールに照らし合わせると、明らかに飼育放棄強いては虐待ともとれるような
飼い方をされている犬や猫が存在している問題があること忘れてはいけません。
一方、保健所も明からな虐待や飼育放棄でなければ、せいぜい注意する権限しかありません。

都市部においては、間違った飼い方の指導も含め殺処分予備軍を0とする仕組みづくりの課題が
残されています。

 ● 【間違った犬の飼い方と情報_2:(都心部での)番犬という名の体の良い外飼い】 ペットのお薦めコラム



3. 猫の問題

3-1. 野良猫の問題

人懐っこい野良猫をみかけるとエサをあげたくなる気持ちは分かります。
しかし、猫は犬と違い繁殖力が強い生き物です。
あなたの不用意な餌付けは、次の不幸な子猫を多くうみだすだけでなく、捕獲されれば殺処分にまわされる
可能性があります。
そして、ほとんどの人は自分が殺処分の原因をつくっていることを知らないままに行っています。
(猫1匹が殺処分数されるまでの時間…約8分/1頭)

また、野良猫の餌付けや猫の外飼いが続く限り、TNRを行う保護団体や動物病院の活動だけでは、
いくら譲渡が進んだとしても根本的に問題は解決しないでしょう。
 
なお、【地域猫】についても少しづつ認知自体されてきてはいるものの、住民への理解が追いついている、
またはされているとまでは言えません。そのため、その地域猫に対する虐待や、耳カットをされた(TNRの目印)
猫が保健所に連れ込まれるという事案が発生していることも忘れてはいけません。


補足3:
TNR(ティー‐エヌ‐アール)とは、野良猫を【捕獲:Trap】し、【避妊・去勢手術:Neuter】を行い、
【元の場所へ戻し生活をさせる:Return】 活動のことを言います

 ● 【ペットのニュースや事件について考える:TNRについて考える】 ペットのお薦めコラム


3-2. 仕掛けられた猫ブームの問題

犬を飼うことの大変さが知られる様になるにつれ、ペット業界が「手間がかからない」を売り文句に
猫を売り出し始めたのは有名な話です。
しかし、『犬を飼える条件・飼えない条件』 でもお話しをしました通り、犬よりは手間がかからないだけで、
その世話自体は日々発生します。
その結果、捨て猫が増え、野良猫問題に拍車をかける悪循環が起きています。
「癒し<手間」とならないためにも、ペットを飼うことは必ず日々の世話が発生することを忘れないでください。




4. 犬の問題

4-1. 雑種から殺処分される問題

猫に関しては、野良猫でも里親になる飼い主さんは多くいらっしゃいます。
一方、犬に関しては、血統書(純血種)への人気と雑種への理解の無さから、
「雑種が圧倒的に殺処分の対象」
となっています。
ここでは割愛しますが、「雑種=不良品」ではありません
いずれ犬の殺処分は0に近くなることでしょう。しかし、その過程が雑種の殺処分をによるものであるならば、
健全な推移とは言えません。                                 ~つづく

 ● 【間違った犬の飼い方と情報_4:雑種への誤解】 ペットのお薦めコラム



 動物保護施設から犬・猫の里親になろう! >真の動物愛護について考える_第5話
犬の病気の話とペットのお役立ち情報 環境省のデータにみる犬・猫の殺処分の現実と課題(3/3回) へ続きます>>





動物保護施設から犬・猫を引き取ろう 動物愛護とは何でしょうか?バックナンバーはこちら 動物保護施設から犬・猫を引き取ろう






お役立ち情報

ログイン



アニマルシェルターから犬・猫を引き取って里親になろう


犬や猫を中心としたペットのニュースや雑学などお役立ち情報満載。弁護士に聞くペットトラブルの法律相談も収録

動物病院の選び方から犬や猫の病気の話はAHS飼い主様お役立ち情報をご覧ください




保護犬・保護猫のためのチャリティーグッズのコーナー。寄付をご検討の皆様へ、確かな保護団体へ皆様の寄付をお届致します。



動物病院へのご連絡は
「アニマルハートステーションを
見た」とお伝え頂くと、
お話がスムーズです。


  ご利用案内利用規約特定商取引法プライバシーポリシー
Copyright (C) 2008AnimalHeart STATION All Rights Reserved.