----------------------- 1. 時間的側面(最重要) 2. 経済的側面 3. 環境的側面 4. 肉体的側面(1/2) 5. 精神的側面 -----------------------
飼い主のペットアレルギーの発症を理由(言い訳に)に犬・猫を捨てる人間が未だ後を絶ちません。 ペットアレルギーの発症を理由にペットを遺棄したり保健所に殺処分を依頼する場合、 実際にアレルギーであるケースはほぼありません。 むしろ、本当はただ単に飼うのに飽きただけなのを、遺棄の理由を正当化するために、 簡単かつ正当性のありそうな「ペットアレルギー」という言葉を用いたに過ぎないケースがほとんどなのです。 (フィギュアスケートの浅田真央さんがテレビでペットアレルギー持ちである話をされていましたが、 愛犬を手放したという話は聞いていませんよね?) なお、決してアレルギー持ちの方が手放すことを批判しているのではありません。 なぜなら、症状が酷くなり本当に泣く泣く手放さざるをえない様な方は、自身で身を粉にして その子の引受先を探しているのを皆知っているからです。 申し上げたいのは、 「ペットアレルギー」と言っておけば「飼うのに飽きた際にも簡単に捨てられる」と、 初めから心づもりする様な安易な気持ちで犬や猫の里親にはならないで欲しい。 という事なのです。
ペットアレルギーはペットの毛やフケ等に含まれるアレルゲン物質(抗原) 【犬アレルギーでは主にリポカリン(Can f1),猫アレルギーでは主にセクレトグロビン(Fel d1)】 が原因とされており、これに触れたり吸い込んだりする事で一時的に目のかゆみや鼻水などのアレルギー 反応がおこるものです。 なお、アレルゲンは唾液にもふくまれているため、犬に手や顔をなめさせただけでもおこりますし、 症状がひどくなると皮膚への発疹や呼吸困難までも引き起こします。
犬アレルギーや猫アレルギーは根本的な解決方法が現時点ではありませんが、 以下の様な対処を心掛けることで軽減する事はできます。 ※ ペットアレルギーは鳥でもハムスターでも発症しますので、犬や猫だけでなくペット飼う全ての方が 念頭に置くべきワードです。
○ 室内を清潔に保つ 原因を引き起こすアレルゲンの粒子は細かいので、床だけで なく空気中にも飛散します。 そのため、掃除機による床掃除だけではなくまめな空気の入れ 替えや、(室内干しの場合は)衣服や布団への付着にも注意 を払った方が良いでしょう。 なお、犬・猫アレルギーの方はこれに加え部屋に空気清浄機 を設置している方が多くいらっしゃいます。
余談ですが、ペットを飼っていない方がペットを飼っている家に遊びに行った際、 「すぐにかゆみを感じた」という経験をされた方は少なくないと思います。 実はその原因が、「ペットのアレルゲンは他の抗原に比べ比較的早い反応を示す」 という特徴によるものである事は、あまり知られておりません。
それでは皆さんに質問です。 「ペットアレルギーを理由に(わざわざ密閉空間の)車で保健所まで犬や猫を持ち込み、 平然と犬や猫を抱きかかえて窓口までくる人間の行動のおかしな点」 はどこでしょうか?
犬や猫は10年以上の長いお付き合いをすることが前提です。 その途中で、悲しい別れや不幸な別れとならないためにも、事前に何のアレルギー持ちであるかを知ることは、 どの様なペットを選ぶべきか、またはどの様な飼い方をすれば良いかの心構えができます。
相模原プリモ動物病院グループ(神奈川県相模原市)のコラムページにて興味深い記事が アップされています。 ※ 詳細につきましては各医療機関にご相談ください ※ 相模原プリモ動物病院グループではペットの皮膚病についての専門ページも豊富です。 ペット自身のアレルギー症状の際にはご相談されてみてはいかがでしょうか。
ペットアレルギーの対策としてはその他にも、「室内飼いを外飼いに変える」など 環境的な要素でアレルギー 症状を緩和する方法も挙げられますが、それらは犬との生活様式を根本的に変えるため、次のステージの 選択肢と言えるでしょう。 いずれにしても「手放す」という選択肢は、 「全てを行ったうえでの最終手段である」事をふまえてペットを飼って欲しい と思います。