保護活動にまつわるお話_第1回|日本人が理解すべき玉林市の犬肉祭と犬食反対運動
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お役立ち情報TOP >>  動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:目次 >> 保護活動にまつわるお話_バックナンバー 第 1 回…ユリン市の犬食祭と犬食反対運動について
動物保護施設から犬・猫の里親になろう!:保護活動にまつわるお話_第1回は、中国の楡林市(玉林市:ユリン市またはユーリン市)で行われている犬食祭
と犬食反対運動について日本人が理解すべきことについてです


日本人が理解すべき中国ユーリン市の犬肉祭と犬食反対運動の実態とは

毎年6月が近くなると、世界各国の保護活動家による犬食反対運動の活動が特に活発化します。
その理由が、中国の楡林市(玉林市:ユリン市またはユーリン市)で行われている犬食祭によるものである
ことは、犬を飼っていない日本の方々へも徐々に知られる様になりました。

ところが、ほとんどの日本人が「他国の食文化に口出しすべきでない」との理由で、犬食祭りの実態を
知ろうとはしません。
また、海外の保護活動家による活動というだけで、何か過激な思想を持った団体が騒いでいるだけだと
勘違いをし、実際に彼らが玉林市の犬肉祭の現場において、
「どの様な真意で何を行っているか」を知ろうともしません。
そして、一番の問題は、この日本人による「食文化」を建前とした不干渉の姿勢が逆に、
自分達の日本の食文化を貶めていることに気付いていない」という点です。

最終的に、それでも「食文化である以上口出しすべきでない」という結論を出すのであるのならば、それは
一つの主張として問題ありません。しかし、それを根拠あるものとするためにも、まずは、ユリン市の犬食祭と
保護団体の現在の活動について、本記事では紹介したいと思います。
 ※ここでは便宜上、保護団体(・保護活動家)=犬食反対運動とします


1. 海外の保護団体によるユリン市・犬肉祭での活動内容

楡林市の様に悪い形で有名となった現場には、多くの保護団体が犬食反対を掲げ保護活動を行いますが、
各団体毎に最終的な活動の目標は異なるものの、現状ではどの団体も、中国の街中でプラカードを掲げて
「犬食反対!」などといった、(別の意味で)生易しい活動を行っているわけではありません。

なぜなら、その目的を達成するに遠く及ばない現地の状況があることを現地入りした人間は理解しており、
むしろ、緊急かつ直接的な課題として「虐殺されようとしている犬を1匹でも救出する」 という、
「救出活動」こそが最優先課題であることを、認識しているからです

つまり、ユーリン市の犬肉祭における海外の保護団体における活動とは、皆さんが思い浮かべる
「思想・信条のおしつけ」の様な活動を(現時点では)行っているわけではなく、
「数千匹~1万匹とも言われる大量虐殺から犬を救出している」というのが、
現状の活動であることを日本人は知る必要があります。

※ この「虐殺」と言う表現が人により過激だと感じるかもしません。そのため、本来はこの記事の主張の
  根拠となる詳細を記載すべきですが、犬肉祭はあまりにも凄惨なため誰でも閲覧可能な表の
  お役立ち情報ではご紹介できません。そのため、詳細をご覧になりたい際は会員サイト内の限定記事
  【中国楡林市の犬食祭りと犬食反対運動について:完全版】をご覧ください。

なお、日本人が犬食反対運動に関心を示さない主な反応としては以下2点です。
 ・その国の食文化の尊重をすべき
 ・違法性が無いから口出しすべきでない

その点について検討したいと思います。




2. 食文化の尊重について

中国や韓国、東南アジアや一部欧州など、犬を食べるという習慣自体はありました。
しかし、ユーリン市の犬肉祭は、
  ・犬が苦しめば苦しむほど肉がうまくなるとの迷信に基づき虐殺を行う点
  ・ユリン市の犬肉祭自体は最近開催した点

は、果たして食文化と言えるのでしょうか?

国を問わず地方では昔からの迷信が色濃く残る地域は未だにありますし、それを頭ごなしに否定する
つもりもありません。しかし、既に「家畜はストレスを与えない方が良い」という化学的証明がなされている
現代において、少なくとも先進国である中国に対し、少なくとも、まるで必要の無い虐殺という行為の中止
だけでも求めることは、果たして食文化の侵害にあたるのでしょうか?

※ 犬食が認められている開発途上国の多くは、それに伴う法整備どころか、政府が犬食自体も推奨
   しているため、保護団体としても活動の根拠となるものが無く、活動に非積極的または良い結果が
   得られていない現状があります。




3. 違法性ついて

「その国の法律にのっとっているのであるならば口出しすべきでない」という意見もありますが、
これは全くの間違いで、少なくとも韓国や中国では犬食は禁止はされています。(黙認されているだけです)
従って、現地の人間が口にしているのは闇市で取引されている犬や、飼い犬を窃盗し取引を行っている
状態で、だからこそ、中国や韓国国内でも問題となっているのです。
いまだに違法性の有無を根拠とする日本人がいますが、間違った解釈については認識を改めるべきでしょう。

旅行ではめを外す日本人旅行者へ:
上記の通り、犬肉は不衛生極まりない状態で食卓にあがるため、現地の人間が食べて重い中毒症状で
倒れることは頻繁におきています。旅行に浮かれてはめを外すのは構いませんが、犬肉を食べて自慢気に
話している日本人は、旅行中に病気にならなかっただけラッキーだと思った方が良いのと、
自分が恥をかくだけなのでその話は口外しない方が身のためですよ。




4. 犬食反対運動について日本人が考えるべきこと主張すべきこと

ここまでお読み頂いた方は既にお気づきだと思いますが、ユーリン市の犬肉祭で検討すべき点は以下の
通りです。
 ・ユーリン市の犬肉祭は歴史に基づくものではなく、また、その「苦しめぬく」という非科学的
  かつ非道徳的な行為のもとに行われている点
 ・現時点での犬食反対運動の具体的な活動は、犬食禁止普及というよりは虐殺からの救出である点
 ・犬食及び猫食は中国でも違法である点

これでも皆さんはユーリン市の犬肉祭を「食文化の一環」だと思いますか?
それでも皆さんは保護団体の活動を「食文化への侵略・おしつけ」だと思いますか?
それでは犬をパートナー・友として選んだ日本人として、それはあまりにも冷たすぎやしませんか?

日本では「いただきます」という言葉に見られるように、食や命に対する感謝の念があります。
そして、日本の食文化は(全く0だとは言いませんが…)このような残虐性に基づいたものでありません。

4-2. 日本人が主張すべきこと

グローバル化とは、人や物、お金の交流だけでなく文化や信条など全ての事象において、
その意義への再認識を突き付けられるものです。
そして、犬食反対運動について日本人にとっての一番の問題は、
日本人が自分達も突っ込まれたくないが故に、耳と目を閉じ、口をつぐんでいる点なのです。


繰り返しとなりますが、「食文化」と一括りにし不干渉の態度を示すことは、
「日本人の食文化は犬肉食祭と同等であるが故に、犬食に関して口を閉ざしている!」と他国から主張
されるのを容認しており、それはすなわち、自分達の手で自国の食文化自体を貶めていることだというのを
忘れないでください。

なお、肉食祭に口をつぐんだところで、他国からのクジラや踊り食いの追求が無くなるわけではありません。
でしたら、犬の虐殺を見過ごせないという本音を押し殺すのではなく、明らかにおかしいと思うことや
譲れないと思うべきことの本質を見極めながら、各個に主張していくという姿勢が、日本人には
必要ではないでしょうか。

※ 中国や韓国国内でも犬食反対の動きはあります。犬食反対の意思表示の仕方は何も「食文化」
  という切り口だけではありません。中国や韓国での犬食反対運動を「サポートする」という視点からでも
  犬の救出は可能だということも覚えておいてください。




5. 保護団体も魑魅魍魎

保護の現場が悲惨であればある程多くの保護団体が関与しますが、それらの団体にはそれぞれの主張が
あるため、団体同士が一枚岩ではあるかと言われればそうではありません。
むしろ、海外(特にアメリカ)は、団体に対する寄付金の額も桁違いになるため、その活動内容の
アピール合戦というよりは足の引っ張り合いも頻繁に起こっています。
今回の犬肉祭中止の情報が流れたのも、実はアメリカのある保護団体が「自分たちが中止に追い込んだ」
と寄付金目当てでデマを流したことによるものです。

今後、日本人または団体が現地入りするかもしれませんが、日本人はとかく「動物保護」という言葉に
無条件に飛びつき寄付をするクセがありますので、情報を精査し、寄付をするのであれば詐欺まがいではなく
実のある団体に寄付して頂きたいと思います。

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