弁護士に聞くペットのトラブル・法律相談/うんちの処理をしない飼い主編

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お役立ち情報TOP >>  犬や猫のニュースと雑学・お役立ち情報:目次 >> 弁護士に聞くペットのトラブル・法律相談_バックナンバー 第 1 話…うんちの処理をしない飼い主編
犬や猫,ペットのニュースと雑学・お役立ち情報:弁護士に聞くペットのトラブル・法律相談_第1話はうんちの処理をしない飼い主編です


相談:犬のウンチを持ち帰らない飼い主に困っています

「ペットのうんちは持ち帰りましょう」との立て看板のある公園で、犬のうんちを放置する飼い主を
目にしました。 後日も引き続き放置を繰り返していたのを目撃したため、ある日、本人にその場で
「持って帰るべきである」旨を伝えたところ、
「何の権限があってその様なことを言うのか?どこに法律で禁止していると書いているのか?」
とまくしたてられました。

確かに、他の公園では「犬のふんの放置は条例で禁止されています」との看板をみかけますが、
こちらの公園の看板は「ペットのふんは持って帰りましょう」という看板です。そこで、

1. 看板の内容・文言により条例の適用・不適用は発生
  するのでしょうか?

2. マナーの悪い飼い主に、具体的に罰則を与えることのできる条例や
  法律はあるのでしょうか?

3. この様な状況でマナーの悪い飼い主の行動を改めさせるには、
  どの様な方法があるのでしょうか?

ペットの散歩不可の公園ではないため、犬の散歩に多くの人が訪れる
公園です。一部のマナーの悪い飼い主のせいで公園が汚れるだけなく、
ペット不可になってしまっては残念でなりません。




回答:法律や条例は、施行された時点で効力を発します

【ご質問1】
法律や条例は、施行された時点で効力を発します。
「法の不知は許さず」と言われるように、施行された以上は、その法律や条例を知らなかったので勘弁
してくれということは、原則として認められません。
したがいまして、看板の内容にかかわらず、施行されている法律や条例に反する行為は、
違法行為になります。

【ご質問2】
関連するものとしては以下等が挙げられます。
  ①軽犯罪法
  ②廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」といいます)
  ③条例

① 軽犯罪法は、「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」
  は「拘留又は科料」という刑罰の対象になるとしています(第1条第27号)。

② 廃棄物処理法は、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体
  その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの」を廃棄物としており(第2条第1項)、
  ペットのふん尿も該当します。

  そして、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」(第16条)とされており、
  違反した場合は、「五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」という刑罰の対象になるとしています
  (第25条第1項第14号)。

③ 条例は各地方自治体が独自に制定するものですが、ペットの糞を放置してはいけないという内容の
   条例があれば、条例違反にもなります。

【ご質問3】
もちろん、直接注意をするということも選択肢の1つではありますが、逆ギレや逆恨みをされる可能性も
否定できない昨今ですので、地方自治体に対応を求めるという間接的な方法の方がよいかもしれません。
もっとも、地方自治体がなかなか腰を上げてくれない場合もあるかと思いますので、その場合は、地域住民
で署名を集めて持参をしたり、議員に陳情をするというのも手かと思います。
なお、最終手段ではありますが、刑罰の対象となり得る行為であれば、警察に告発をすることも可能です。



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