保護犬を飼う～つぅちゃん家にくる｜犬ばか飼い主さんのコラム

犬ばか飼い主さんのコラム_第1話/保護犬を飼う～つぅちゃん家にくる

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動物保護施設から犬・猫の里親になろう！：目次

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第 1 話…保護犬を飼う～つぅちゃん家にくる

動物保護施設から犬・猫の里親になろう！：それでもやっぱり愛おしい！！犬ばか飼い主さんのコラム_第1話は保護犬を飼う～つぅちゃん家にくるについてです

愛犬との別れと保護犬との出会い

つばさちゃんを見つけたのは、先代犬クマの火葬の時でした。
クマの遺体が燃える間、火葬場の家族用の待合室に通された私達夫婦は会話を交わすわけでもなく、
思い思いに、ふけっていました。
ものすごく丈夫だったクマの健康に陰りが見え始めた頃から、クマを看取った後は、
すぐに保護犬を譲渡してもらおう。そう心に決めていました。
(事前に保護犬を飼おうと思った理由や経緯は別の回でお話をさせて頂こうと思います)

きっと、クマを失った後は、悲しすぎて、体や頭や心が動けなくなってしまうだろうから、先にやるべき事を
決めておこう。
そう思っていたので、火葬場の待合室で、里親を募集している「つばさ」ちゃんの掲示板を見つけた時、
そのまなざしが、クマのここ数週間の私を見るまなざしにそっくりに見えて、主人の反対を押して、
掲示元の群馬県のボランティア団体さんへ連絡を取りました。

聞けば、つばさちゃんは放浪で保健所に保護されたらしいのですが、飼い主さんは現れず、譲渡対象となり、
保護センターへ移動したものの、半年もの間、譲渡会でも、HPの掲示板でも、誰からも声がかからなかったと
言います。保護センターと言っても、小さいスチールの檻の中にほぼ1日中ひとりぼっちでいます。
保健所と違い、冷暖房は効いているそうですが、孤独な時間です。運動もできません。
人と接するのは、朝の清掃が入る１０分ほどの間。犬にとって、半年というのは、とてつもなく長い時間です。
その間、ひとりぼっちで過ごしていた長い長い時間を思うと、こうやって悲しんでいる間にも、
こういう子は歳を重ねていってしまう・・・そう思い、群馬へ車を走らせました。

老犬を介護して、看取った人は誰しもそうなると言いますが、私も夜に何度も起きて、という生活を
していましたので、クマの死後も、耳が敏感になってしまい、自転車のペダル音が犬の声に聞こえたり、
なんだか眠れない日々が続いていました。
つばさちゃんを我が家に連れ帰り、用意してあった寝床でスヤスヤ眠ってくれたのを見届けた後、
私も久方振りに深い深い眠りに落ちる事ができたのをよく覚えています。

どういう事情かは判りませんが、10年以上連れ添った飼い主さんと別れ、一人で放浪し、保健所へ行き、
センターへ行き、長く待ち続けた心の傷は深いようで、朝方になると、人を探して、遠吠えとも、叫び声とも
つかない鳴き声をあげます。

毎朝同じ時間に叫び声をあげるので、クマと歩いた公園
までの道を「つばさ」ちゃんととぼとぼと散歩するのが日課
となりました。
元気なく、のろのろ歩く私を、つばさちゃんは、何度も
振返り気遣いながら、ゆっくり歩いてくれました。

お互いがそっと寄り添う様な生活を重ねて、なんだかほぼ
同時に、心が軽く明るくなったような気がします。

もう1匹の保護犬レインが加わってからは、寂しさからの遠吠え等をすることもなくなり、公園までの道も
今はダッシュして走っていきます。

多分、もう、私を気遣って歩く必要がない事がわかるのでしょう。
そう、今はもう元気です。

犬と人の間には友情が育めると言います。犬は人と共生するために狼から進化した動物だと言われています。
信頼関係がある犬と人間の間には、オキシトシンという若さや、免疫力を高める、幸せホルモンが分泌される
といいます。
それだけに、そういうパートナーを失った悲しみは深く、きっと、私達　夫婦二人だけであったら、きっともっと
深い悲しみに暮れて過ごしていたに違いありません。

つばさちゃんに一番辛い時期を寄り添ってもらって、私は随分と肩の荷が軽くなりました。助けてあげる事で
助けてもらったと言ったほうがいいかもしれません。
あの日あなたを見つけられて良かったよ。つぅちゃん。ありがとう！